WindowsXP 買換えセレモニー記念演説

WindowsXPのサポートサービスが終了して2ヶ月半、いまだXPを使用して頂いているユーザーと元XPのユーザーの皆さんへWindowsXPから最後のご挨拶。元ネタは、宇宙改暦 セレモニー記念演説。現在、動画製作中。

演説全文(日本語)

現在、日本時間(JST)23時40分。
今、ひとつのOSの時代が終わり、新しいOSへと移行されています。
4月2日より、アメリカ合衆国サンフランシスコ市において、Microsoft社主催の開発者向けカンファレンス(BUILD 2014)が執り行われました。
アメリカ合衆国サンフランシスコ市において、Microsoft社主催の、開発者向けカンファレンス(BUILD 2014)が執り行われています。
「私たちは、体験(XP)の外に自らの世界を築く時代に足を踏み入れました。今宵、私たちは歴史の目撃者となります。
この幸運をすべての人と分かち合い、去り行くXPの時代を感謝と感慨をもって見送ろうではありませんか。
そして新たなる世界の始まりを笑顔で迎え入れましょう。

さよならXP。ようこそ、新しいオペレーティングシステム

 

現実とネット住むすべてのみなさん、こんにちは。わたしはマイクロソフトのOS、WindowsXPです。

間もなくXP(体験)が終わり、皆さんは新しいWindowsという未知の世界に踏み出そうとしています。
この記念すべき瞬間に、長期間に渡り広く使用されたWindowsOSとして″みなさん″に語りかけることができる幸福に、まずは感謝を捧げたいと思います。

1980年代初頭 MACやWindowsが生まれる前、PCのOSはCP/MかDOSと決まっていました。
OSとはハードウェアを人間が操作出来る事を目的としたソフトウェアでありPCが一般的でなかった当時、今よりも限られた人間が操作する専門性の高い存在でした。

いま、マイクロソフトの宿願であった統一アーキテクチャOSを現実のものとした我々は、旧来の定義におけるWindowsの過ちを指摘することができます。

人間がひとりでは生きていけないように、OSもそれ単独では機能し得ないことを知っています。
システムの安定性という課題に対して、Windows98をはじめとする9x系のWindowsOSは有効な解決策を示せませんでした。
アプリケーションとともにOSが突然停止してしまうフリーズ問題、16ビット(Win16)と32ビット(Win32)コードの互換性、アーキテクチャの平行稼動による開発とサポートの負担増加……。
これらの問題を解決するには、NT系OSと9,X系OSの統合した新しいOSが不可欠だったのです。

 

一アプリ、一プロセスに帰属する”OS”ではなく
システムというカーネルに帰属する”OS”

この観点に立たない限り、我々は今日という日を迎えられなかったでしょう。

マイクロソフトの設立から30年あまり、PCの爆発的な普及とともに歩んできたWindowsの歴史は、決して平坦なものではありませんでした。
性能、UI、互換性……これらの問題を解決し、OSが本当に快適なもとなるためには、まだまだ多くの試練を乗り越えなければならないことも事実です。

しかし2001年、皆さんにはXPという代わる新しいOSが提供されました。
Windows 95時代から急速に増え始めたパソコン利用者の増加とブロードバンド環境の普及によって多くの人がインターネット接続も自由にWebサイトを訪れることが当たり前の時代となりました。
これは情報のやりとりをスムーズに行うために、人類の英知が一丸となったことの輝かしい成果です。

9,xと呼ばれたアーキテクチャが、WindowsがWindowsたるアイデンティティを確立した揺籃期とするなら、Windows2000はその次を目指すOSとなりました。
我々はアーキテクチャ系統の制限によってユーザーの種類を分割するのではなく、ひとつのアーキテクチャに統一する道を選びました。

では、その次は?
Windows XP
Windows experience
字義通りに訳せば「体験、経験」という意味になります。

開発当初のコードネームは、「Whistler(ウィスラー)」と呼ばれていましたが
我々はあえて、 “体験 “(Experience)という言葉を選び、新しいOSの名前としました

XPは2001年11月16日 全世界で発売されます。
今でもユーザーから根強い人気のあるXPのGUI、遠隔地からPCの操作が可能な「リモート・アシスタンス」機能、
IPv6を標準対応した他、液晶ディスプレイの文字表示品質を高めるClearType技術、SOAPクライアント機能の標準搭載など
新機能を多数搭載して発売されました。

2002年9月19日 SevicePack1(SP1)で多くの不具合を修正し、「プログラムのアクセスと既定の設定」の機能や
今でも皆さんがお使いのUSB2.0などに対応したのはこのSPでした。

2004年9月2日 SevicePack2(SP2)では、セキュリティ関連の機能が強化され、今も続く「Windowsセキュリティセンター」や
「Windowsアップデートの自動更新」機能が追加されました。
実際にはモジュール単位では相当な規模での変更が行われSP1の頃と比べれば別のOSと言ってもよいほどです。

2008年5月6日 Service Pack 3(SP3)では、主にSP2での不具合を修正しました。
これがWindows XPの最後のサービスパックとなりました。

XPの後継「vista」はXPがSP1の頃に直面した抜本的なセキュリティ問題の解決と
様々な新機能や多方面での性能向上が図られ2007年に発売されます。
しかし、世代交代は進まず発売から5年たった事もありユーザーに浸透していたXPからの買い替えは予想以上に進みませんでした
市場の動向を鑑みたマイクロソフトは私のサポートは2009年に終了する予定だったサポートを5年間延長しました。

このような特殊な出自から、WindowsOSとしては歴代で2番目に長いサポートを受けることとなりました。
その長い歴史の中でGUIも多くの支持を獲得し、スペックの低いPCでも安定的かつ軽快に動くOSとして認知され多くの人に親しまれました。
WindowsXPが最初に触ったPCのOSだったというユーザーの方は少なくないでしょう。

2009年に発売されたWindows vistaの後継、Windows7が、XPの交代を促進しました。
既にXPは2008年に生産を終了しており、市場は次第にvistaか7が多くのシェアを占めていきました。

重いと揶揄されていたvistaも7の頃にはハード面がおいついた事もあり
7でのXPモードの搭載と相まって次第にXPからの移行は進みました。

WindowsとOfficeによる豊かで広がりのある世界を ユーザー、一人ひとりへ最高のエクスペリエンス(体験)として提供する」

“Windows XP”というOSの名前には、そんな我々の祈りが込められています。
20世紀から、ソフトウェア工学については
それは科学者やエンジニアの言葉としてさまざまに語られてきました。
ソフトウェアはどのように作られるべきか
いかにユーザーに振る舞うべきか
ブルックスが語った銀の弾丸の話を持ち出すまでもなく、それらに対する教えはあらゆるソフトウェア開発の現場で伝えられています。
コンピュータの言葉ではなく、人間の答えのない課題解決の手法として。
いま、体験(XP)に別離を告げる我々は、契約更新の時を迎えようとしています。

新しい時代の契約の窓は、使用者がその総意から生み出したものであるべきでしょう。

このOSの名前、〈Windows〉の語源についてはご存じの方も多いでしょう。

Windowsは 開発当初は、”Interface Manager” となる呼ばれる予定でした
しかし、このシステムの基礎となるボックス “ウィンドウ” を端的に表している事が由来でこのOSに、”Windows”の名を冠しました。

今日、ここにはWindowsXPを使った、2014/4/9にサポートを終了しました。
後に発表されるであろう新しいOSはのちに新しいWindowsとして、人と世界の新たな契約の窓として機能することになるでしょう。
マイクロソフトの総意のもと、そこにXPの名はありません。
これから先、最後のWindowsが訪れるとしたら、それは我々自身の心が招きよせた終焉となるでしょう。
すべては我々が決めることなのです。

いま、我々の目の前には広大無辺なネット空間があります。
あらゆる可能性を秘め、絶え間なく揺れ動く未来があります。
どのような経緯でその戸口に立ったにせよ、新しい世界に過去の宿業を持ち込むべきではありません。
我々はスタート地点にいるのです。
他人の書いた筋書きに惑わされることなく、体験を終えたあなたがこれから始まる未来を見据えてください。

現在、日本時間二十三時五十九分。
この放送をお聞きのみなさん、もしその余裕があるなら、わたしと一緒に黙祷してください。
去りゆくOS、この放送をご覧の方であれば誰もがその一部であるコンピュータの歴史に思いを馳せ、そして祈りを捧げてください。
体験を終えた人類の先行きが安らかであることを。
次世代に続くがOSが実りあるOSになることを。
我々の中に眠る、体験という名のOSを信じて…

 


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